◆著作権・著作者人格件

著作者は自分の著作物に対し、著作物の財産的価値を保護し、その利用を許諾したり禁止する「著作権(著作財産権)」と著作者の人格的利益を保護する「著作者人格権」を有することになる。

著作者の権利
著作権(著作財産権)
著作者人格権
公表権
氏名表示権
同一性保持権
複製権
上演権
上映権
公衆送信権
口述権
展示権
頒布権
譲渡権
貸与権
翻訳・翻案権
二次的著作物の利用に関する原著作者の権利

●著作権

著作権は、著作権法で保護される権利で、著作物(思想または感情を創作的に表現したものであり、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの)を創作した時点で発生する。別名、著作財産権とも呼ばれ、財産的権利として他人に譲渡・処分が可能である。
また著作権は複製権(著作物を印刷・写真・複写などにより、有形的に再製する権利)や上映権(著作仏を公に上演する権利)など複数から成り立っている。


●著作者人格権

著作者人格権とは、著作者自身の固有の権利であり、一身専属的なもので譲渡・処分ができない性質のものである(取引の対象になり得ない)。著作者の死後50年間が過ぎるまでは、ライセンスビジネスに関わる者は一律に法的制限を受ける。
著作者人格権は、@公表権(未公表の著作物を公表するか否かの決定権)A氏名表示権(著作者の実名または変名を表示する権利、または表示しない権利)B同一性保持特権(著作物・著作物の題名の変更・切除・その他改変をさせない権利)の3種類から成り立っている。


◆著作権制度のはじまり

著作権の保護の歴史は、15世紀中頃に、ドイツのグーテンベルクが活版印刷術を発明したことに始まるといわれている。彼が印刷システムを作り上げることによって、大量のコピーを生み出すことになった。
「著作権」という訳語は、英語では「Copyright」、すなわち「コピーする権利」という意味であることからも、コピーすることから権利者を守ることが著作権制度の起源となっている。
19世紀の後半、ヨーロッパ各国で著作権をお互いに保護する為の国際条約を作り始めた。又、フランスの文豪ビクトル・ユーゴー等の呼びかけで、著作権保護の運動が展開された。その結果1886年に、スイスのベルヌに10カ国が集まり、世界最初の著作権に関する「ベルヌ条約」が作成された。
日本の著作権制度は、明治2(1869)年の「出版条例」に始まるとされているが、1万円札の顔にもなっている福沢諭吉は著作権という考え方を日本に紹介することにも大きな役割を果たした。その背景には、彼自身の著書である『西洋事情』、『学問のすすめ』などの大量の海賊版の横行によって、多くの被害を受けていたことにあるといわれている。その後、明治32(1899)年に現在の著作権法のもとになった「著作権法」が制定され、本格的な保護が始まることになった。


◆海外著作物の使用と保護

海外で作られた著作物は、日本でどのように保護されるか、逆に日本で作られた著作物は、海外でどのように保護されるのでしょうか。
著作物は、国境を越えて利用される場合、各国間で結ばれる国際条約(「ベルヌ条約」「WTO協定付属TRIPS協定」「万国著作権条約」など)によって国際的に保護されます。日本はこれらの条約に加入しており、条約加入国の国民が作った海外著作物を日本の著作権法によって保護する義務があります。同様に日本の著作物は、相手国の国内法によって保護されることになるのです。
※各条約の締結国はhttp://www.cric.or.jp(社団法人 著作権情報センター:著作権データベース)参照。

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